今回は、バンド【Michael Schenker Group】のアルバム『Michael Schenker Group』より、曲「Lost Horizons」をご紹介させて頂きます。
このアルバム『Michael Schenker Group』は、バンド【Michael Schenker Group】のデビュー・アルバムです。私にとってのバイブルでもありますが、名曲揃いの超名盤アルバムです。そんなアルバムから、今回は、最もマイケルの本質が発揮された圧巻のギターの聴ける曲「Lost Horizons」をご紹介させて頂きます。
MSG-Lost Horizons
深く重い静寂の中から湧き上がる音が、一度静まり返った後、強い意志を感じるモチーフとなるメロディーと共に、曲の展開が始まります。1:07からのAメロの展開は、タメの効いたリフに対して、高低差のあるヴォーカルのメロディーラインが非常にマッチしていて、魅力的なシーンです。マイケルは、溜めの効いたバッキングをいます、それは同時にギター・ソロで爆発するためのパワーを溜める事にも繋がっています。サイモン・フィリップスの独創的なドラムスも非常に曲の雰囲気を作っており、ギターに限らず、バンドメンバーの個性が高次元でバランスを取っている事が分かります。1:40からのBメロの展開は緊迫感のあるシーンで次の展開での爆発を予感させます。最初はAメロに戻りますが、次の繰り返しではギター・ソロへと繋ぎます。2:47~4:06の前半ギター・ソロでは、美しいメロディーをエモーショナルなマイケルのフライングVの声で歌い上げます。マイケルの感性がストレートに音になっており、随所に至高のフレーズがちりばめられています。3:20からの静寂シーンではストーリー性を感じる深みのある展開であり、その後の展開も、明快な起承転結のギター・ソロで見事にシーンをまとめています。4:38~7:00までの、後半ギター・ソロは圧巻です。前半の美しく構成から少し変化し、マイケルは、ほぼ感性のままで弾いています。激しく力強い音から哀愁を感じるクールダウンした音まで、独特な緩急を付けたエモーショナルな演奏です。この演奏には、非常に強く人間的な心を感じ、魂までも揺さぶります。
今回の「心の琴線に触れる音」は、全てのギター演奏と言いたい所ですが、あえて3箇所に限定しました。1つ目は、ギター・ソロの中で、2:47~2:51の可変ヴィブラート、2つ目は、3:01~3:04の2音上げチョーキング、3つ目は、6:03~6:12のトリルからのオーソドックスなペンタトニックのキメフレーズです。この辺りの音に込めた力の強さがマイケルの個性であり、なかなか真似できない部分です。
原曲では、サイモン・フェイリップスのドラムが非常に深みがあり素晴らしく、曲の魅力を深めていると思いますので、注目して聴いてみてください。そして、ライブ版などでドラムの違いによる曲の変化も味わい深いので、色々なバージョンを聴いてみてください。
MICHAEL SCHENKER [ LOST HORIZON ] [II] LIVE.’81.
ドラムは、コージー・パウエルです。オリジナルのドラム:サイモン・フェイリップスとはニュアンスが違いますが、パワー全開で素晴らしいドラマーです。ライブで、アドリブも多い中、原曲のニュアンスをここまで出せるのは、マイケルの実力の証です。
曲「Lost Horizons」のライブ映像1984年
MICHAEL SCHENKER [ LOST HORIZON ] [I] LIVE 1984.
ヴォーカルは、代役のレイ・ケネディ(Ray Kennedy)、ドラムは、テッド・マッケンナ(Ted Mckenna)の映像です。この頃のサウンドはスピード感があり、マイケルのギターも、ワウが強調されています。今は亡き、テッド・マッケンナのご冥福をお祈りします。
曲「Lost Horizons」のライブ映像2010年
Michael Schenker Group (MSG) – Lost Horizon (Live 2010 Japan)
2010年に、来日した時のMSG30周年のライブ映像です。メンバーは、ヴォーカル:ゲイリー・バーデン、ドラム:サイモン・フィリップス とオリジナル・メンバーも共演しています。原曲のドラム:サイモン・フェイリップスは、改めて素晴らしいドラマーだと思います。
ご紹介のアルバム『Michael Schenker Group』です。
Michael Schenker Group (2009 Remaster)
- アーティスト: Schenker
- 出版社/メーカー: Chrysalis Records
- 発売日: 2016/08/16
- メディア: MP3 ダウンロード
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このアルバムは、歴史的な超名盤です。私のバイブルでもありますが、多くの人に、この素晴らしい音を聴いて頂き、共に共感できればと思います。本当に全曲が名曲です。
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